今までWalmartにおけるイノベーションは何度かご紹介してきているが、
Walmartでは2005年にWalmart Innovation Labs (現 Walmart Labs)を立ち上げ、
顧客、マーチャント、サプライチェーンなどの観点からイノベーションを推進すべく
活動を行ってきている。
その成果として、”EコマースのAmazon、実店舗のWalmart”という図式が、大きく変わりつつある。
Nielsen & Rakuten Intelligenceのレポートによると、
WalmartのEコマースユーザーは、2017年から2年間で207パーセント増となり、
また、下グラフにもあるとおり、2018年の食料品のEコマース売上前年同期比は、
Amazonの成長率8パーセントに対して、
Walmartでは53パーセント増と著しい成長率となっている。
食料品に加え、美容品、パーソナルケア、生活必需品、ペット関連の各分野でも、
Walmartの売上成長率はAmazonを大幅に上回っている。
また、The Retail Feedback Groupが2018年11月に行った
オンラインでの食料品購入先に関する調査でも、
全体の33パーセントがWalmartと回答し第一位となっている。
これは前年の26パーセントから7ポイント増加で、
一方のAmazonは、2017年の36パーセントから2018年は31パーセントへと減少している。
Walmartがここまで急成長を遂げた要因として、
Jet.comの買収、実店舗での偉大なプレゼンス、効率的な出荷機能、など
Walmart Labsによる戦略が大きく成功していると考えられる。
2016年のJet.comの買収は、Walmartがそれまで得意としていた地方部に加えて、
Jet.comが強みとしている都市部への浸透を可能にした。
また、アメリカの人口の大半に近接している数千の実店舗は、
オンライン購入での迅速な出荷と配達を可能にし、
Amazonより一歩先に進んだサービスをユーザーに提供できる。
Eコマースが成長しても、やはり実店舗の存在価値は大きい。