現在、ティーンエイジャーの間で絶大的人気のあるモバイルアプリのTikTok。
中国IT大手のByteDanceが2016年9月にサービスを開始した
比較的新しいソーシャルネットワーキングで、
音楽付きの通常15秒 (最大60秒)のビデオを簡単に作成、共有でき、
誰もが自分のスマートフォンを使って直接クリエーターになることを可能にする。
世界におけるゲーム以外のモバイルアプリダウンロード数で、
FacebookやGoogleが所有していない数少ないトップアプリの1つでもある。
2018年9月には、アメリカのApple App Storeで最もダウンロード数の多い無料アプリとなり、
10月にはGoogle Playでも1位になり、月間アクティブユーザーは5億人と言われている。
このTikTokは、下記グラフにあるように、
ユーザーの平均セッション時間が約9分と、他のソーシャルネットワーキングアプリと比べて格段に長い。
ユーザーが1日に平均8回アプリを開くというデータもあり、
特に利用者の高いGen Z (1995年から2010年生まれ)と呼ばれる
若い世代の消費者を惹きつけることを目指すモバイルマーケティング担当者にとっては、
格好の魅力的なアプリである。
このように成長著しいTikTokにとって大きな課題は、
NetflixやYouTubeに代表されるライブストリーミングプラットフォームと異なり、
アプリへのトラフィックをいかに収益化するかである。
ByteDanceが2017年に約10億ドルで買収し、
昨年TikTokと統合したMusical.lyも、アメリカのティーンエイジャーの間で大ヒットしたが、
広告主の注目を集めることは難しかった。
が、最近Uniqloがアメリカ、フランス、日本、台湾でTikTokを利用した新しいキャンペーンを展開。
自分の好きなUniqlo2019年春夏コレクション衣装を着て撮影したビデオを、
キャンペーン用に作られたハッシュタグ(#UTPlayYourWorld)付きでTikTokに投稿し、
受賞者のビデオはUniqlo店舗にあるビデオスクリーンやソーシャルメディア上で表示される。
今までも、メキシカンファーストフードチェーンのChipotleや
デニムブランドのGuessなどがTikTokを利用したキャンペーンを行ってきているが、
世界的に知名度の高いUniqloとのタイアップキャンペーンは、
TikTokにとって収益面での大きなターニングポイントになるかも知れない。