Walmartは、FedEx Office (2004年にFedExがKinko’sを買収し、
FedEx Kinko’s、FedExOfficeと改称)をアメリカ国内の店舗内に構え、
受領、梱包、出荷、保管、印刷等の新たなサービスを顧客に提供することにより、
Amazonとの差別化を図ろうとしている。
現在、すでにWalmartの店舗で利用できるサービスとして、海外送金/受領や
クレジットカード申込の金融サービス、目の検査のためのビジョンセンターや
処方薬局などの医療系サービス、オンライン注文の受取などがあり、
FedEx Officeの店内構築は物流やオフィス系の新たなサービスとなる。
Walmartでは、現在提供されていないサービスの中で、
顧客が最も必要としているのが梱包と出荷であることを顧客リサーチから把握し、
それを実現したことになる。
昨年、テキサス州やコロラド州など6州にある約50店舗でパイロットテストを行い、
現在は150店舗まで拡大、2020年5月までに500店舗にてFedEx Officeを展開する予定でいる。
すでに配送面でのパートナー関係にあるWalmartとFedExは、
今後店舗内での協業も強化することにより、
- FedExにとっての”ラストマイル”配達の負担軽減
- 容易な返品、返金
- 同一流通業者への一括返品配送によるコスト削減
- コピーや印刷の新サービス
- Walmart店舗へのトラフィック増による売上増加
- 玄関等での配達後の盗難防止
などが期待でき、
両社および顧客にとってWin-Win-Winの関係を実現する。顧客が受領する荷物は
最大5営業日保持する。
パイロットテスト期間におけるコピーや印刷の新サービスは、
FedExの当初の予想を上回った売上となっている。
Amazonは、Whole Foods Market、グローサリーストア、ショッピングモールなど
各所に購入者が商品を受領できるAmazonロッカーを置いているが、
ピックアップ専用であることから、Walmart内でFedEx Officeが提供するサービスには程遠く及ばない。
FedEx Officeは、アメリカ全土に約14,000人の従業員を擁し、さまざまな印刷、梱包、
出荷サービスを提供。
従来の店舗に加えて、ホテル、コンベンションセンター、大学、オフィスビルなどにも
小規模店舗を展開、現在は2,000店舗まで拡大している。
Eコマースの成長と、FedEx Officeの従来型サービスを超えた集配と配送の選択肢を
顧客が求めていることが、物理的な設置面積の増加に起因していると考えられる。
また、全国どこでも正確性と一貫性を保証する高度なカラーマネージメントテクノロジーによる
印刷事業も好調である。
(イメージは、Walmartのサイトより抜粋)