アメリカではスマートスピーカーの普及が順調に進んでいる。
Voicebot.aiとVoicifyから先月発表されたレポートによると、
スマートスピーカーを所持しているアメリカの成人は、
2018年1月の4,730万人から2019年1月には39.8パーセント増の6,640万人に達した。
成人人口2億5,300万人の26.2パーセントが
スマートスピーカーを所持していることになる。
また、アメリカにおけるスマートスピーカーの総数は約1億3,300万台で、
一人あたりの所持数で見ると、2018年の1.8台から2019年には2.0台と微増している。
標準的なテクノロジー採用ライフサイクルは、
- ユーザー人口の約16パーセントがイノベーター/早期導入者
- 34パーセントが初期多数派
ということから、
現在の所持率26.2パーセントはすでに初期多数派の段階にはいっている。
また、製品やメーカーの視点でみると、Amazonが牽引した第1段階は
2018年秋に終了し、現在は新しい製品、新しいメーカーの参入が特徴となる
第2段階に入っている。
スマートディスプレイの出現、BoseやBang & Olufsenなど
オーディオ大手企業の参入等により、消費者の選択肢を広げている。
マーケットシェアは、下イメージにあるとおりAmazonが6割強と引き続き圧倒的な
位置にいるが、Googleのシェア拡大、AppleやSonosなどの新規参入により、
1年前から10ポイントほどシェアを縮小させている。
スマートスピーカーの用途トップ3として、
何か質問する、ストリーミングミュージックを聞く、天気の確認、となっており、
全体の約3分の1がこれらを毎日利用している。
質問では音声対話型検索エンジンが利用され、音楽関連、ニュース、映画など
話題性の高い質問が多い。
ストリーミングミュージックやラジオを聞くというスピーカーとしての利用を除けば、
音声アシスタントを利用したスマートスピーカー本来の用途が上位に位置している。
また、より多くの音声アプリが公開されており、
Amazon Alexaは前年から2.2倍増の約60,000、
Google Actionsは2.5倍増の約4,000となっている。
ボイスコマースはまだまだ利用者が少ないが、41.2パーセントのユーザーが
商品情報検索を、26.1パーセントが購入を行ったことがあり、
ブランド側はボイスコマースへの対策を無視することはできないだろう。