Eメールは引き続き最も利用されているコミュニケーション手段であり、
マーケティング担当者にとって、最高のコンテンツを、最高のタイミングで、
個々の顧客にパーソナライズしたEメールを送信することは、
Eメールマーケティングの理想である。
そのため、最近ではセグメンテーション、マーケティングのタイミング、
コピーライティング等においてAIが利用されてきている。
1. 顧客とのエンゲージメントの向上
今までマーケティング担当者の間での慣行として、
件名、本文、画像の組み合わせを手動でテストして、
どのメールが最も効果的かを判断していたが、
このプロセスは労働集約的であり、人為的ミスの可能性も非常に高いものであった。
新しいAI技術の利用により、コンテンツの組み合わせを迅速に生成することができ、
さらにどのコンテンツが最良の結果をもたらすかの予測も可能となる。
この新しいプロセスにより、A / Bテストの時間が大幅に短縮され、
マーケティング担当者はより多くのメッセージング要素の組み合わせを混在させることができるようになった。
2. Eメール送信のタイミングの調整 (When)
頻繁にEメールを送信すると購読を解除される可能性がある一方、
あまりにも少なすぎると企業は競争に負けてしまう危険性がある中、
AIによる顧客の活動履歴に基づいた送信時刻と曜日の自動化により、
Eメールの送信の頻度とタイミングが的確になる。
さらに、Eメール受信者のタイムゾーン、ダウンタイム、個人的なパターン、
習慣、好みなどの把握もAIにより可能となる。
3. プロモーションのパーソナライゼーション (What)
顧客の履歴や習慣に基づいて、AIは推奨商品、割引、無料の商品やサービス、
無料の出荷、リベートなど、それぞれの顧客に最も適したプロモーションのタイプを
判断することが可能となる。
たとえば、顧客がショッピングカートを放棄した場合、
AIにより商品の購入を再考させるか、あるいは別の商品を推奨するか、
どちらか最適な方法で顧客に再行動を促すEメールを商品購入ページへのリンク付きで送信する。
AI技術を利用した商品の推奨は、顧客が購入する確率を向上させる。
4. 新しいセグメント (Who)
機械学習のアルゴリズムは、年齢、地理、購入履歴だけでなく、
特定の行動上の手掛かりに基づいて、マーケティング担当者がユーザーをインテリジェントに
グループ化する能力も提供する。
これらの行動パターンは、全く新しいマーケティングセグメントに変わる可能性があり、
カスタマイズされた新しいキャンペーンで対処が可能となる。
ところで、AI技術をとりいれたEメールマーケティング効果は高いが、
AIの専門家ではないマーケティング担当者にとって、その活用は難易度が高いとも言える。
そのため、ロンドンに本社をおくPhraseeという企業のように、
AIを取り入れたマーケティングソリューションを提供する会社もでてきている。
Phraseeは、Eメールマーケティングのクリックスルー率とエンゲージメントを高めることを目的に、
件名、最適化したコンテンツ、行動を促すフレーズの生成を行うためのAI技術による
アルゴリズム使用の自然言語生成システムを提供し、開封率やコンバージョン率の向上に貢献している。