Eコマースにおける詐欺や不正行為は、個人情報の盗難をはじめ、返金詐欺、
クレジットカード詐欺、フィッシングなど数種類あるらしい。
現在では、Eコマースの成長、さらに国境をまたがったEコマースのグローバル化が進むにつれ、
次のように詐欺の被害も多大になってきている。
- ・潜在的な詐欺の価値: 578億ドル
- ・2016年第2四半期から2017年第2四半期にかけての不正行為の増加: 5.5パーセント
- ・500ドルを超えるトランザクションの不正行為率: 11.64パーセント
(100ドル未満のトランザクション率より22倍高い)
- ・化粧品および香水業界における不正行為の割合の増加: 171.9パーセント
(PYMNTSとSignifydによる8業界統計データより)
このように詐欺や不正行為は深刻な懸念事項であるが、
詐欺疑惑のため誤って取引が中断していることも多く、
その損失額は年間1,500億ドル以上ともなっている。
このような背景において、Eコマースにおける詐欺検出と防止のマーケットは、
2022年には約420億ドルに達すると推定されている。
この分野では、Accertify、Signifyd、SiftSchience、Socureといったような
スタートアップがでてきている。
中でも、2011年に創設されたSignifydは、グローバルへの拡大を目指し、
新しいベンチャーファンド100万ドルを最近調達した。
SaaS形式でEコマース向け詐欺防止ソリューションを提供するSignifydは、
リアルタイムのマシーンラーニングと世界有数の第三者データソースの活用により、
Eコマースのトランザクションを監視し、カード決済が処理される前に危険な取引を発見、
Eコマース運営者に通知する。
さらに不正なトランザクションよる
クレジットカード会社からのチャージバックコストも100パーセント保証し、
Eコマース運営者を保護しながら売上増をサポートする。
これにより、チャージバックで失われた数10億ドル、
誤って注文がストップしてしまった顧客の不満、
手動による取引調査のための運用コストなど、
成長するEコマースビジネスが永続的に直面する課題を解決する。
主な顧客として、Walmart傘下の
Jet.com、Lacoste、Bonobos、Wayfair、Peets Coffee& Teaなどがある。
ハンドメイドの高品質ジーンズを製造販売するGoldenは、世界的な需要が高まると同時に、
国際的な詐欺団体によりオンラインオーダーの8パーセントにのぼる詐欺被害を被ったが、
Signifydのソリューションを利用することにより潜在的な不正使用から保護され、
世界中どこからでも注文を受け入れて発送することができるようになった。
Signifydは、Shopify、BigCommerce、Magento、
Salesforce Commerce CloudへのAPI連携も提供しており、
Eコマースプラットフォーム側の変更なく利用が可能となっている。
グローバルなEコマースを運営する企業にとっては、
この手のサービスの利用は一考に値するであろう。