以前のコラムでスマートスピーカーをご紹介したが、
アメリカでは音声アシスタント技術の利用が急速に進んでおり、
音声対応のデジタルアシスタントユーザー数が現在の6,900万人から
1年後には7,550万人に増加するだろうと予測しているマーケティング会社もある。
キャップジェミニがインテル、マサチューセッツ工科大学と
共同で行った調査レポート”Time to talk -The future for brands is conversational”、
および、キャップジェミニによるアメリカ、イギリス、フランス、ドイツの
インターネットユーザーを対象とした調査レポート
“Conversational Commerce: Why Consumers Are Embracing Voice Assistants in Their Lives”から、
音声アシスタント利用の急増とその利用によるEコマースの進化が理解できる。
デバイスで見ると、音声アシスタントの使用の大半は、
ほとんどの人が所有しているスマートフォンのSiriやGoogle Assistantを利用して行われているが、
Amazon EchoやGoogle Homeなど音声対応スマートスピーカーは、
下イメージあるように、各デバイスの登場5年間での年間成長率がスマートフォンの
倍以上と見込まれており、急速に普及が進んでいる。
キャップジェミニの調査によると、
82パーセントが情報を得るために音声アシスタントを使用しているが、
さらに35パーセントが音声アシスタントを使用して消費者グッズや小売品を購入し、
34パーセントが音声アシスタントを使用して食事を注文している。
利用者の満足度も高く、71パーセントが満足感を表明している。
音声アシスタントの利用は小売側にも利点があり、
例えば店舗で商品を探す際にスタッフの代わりに音声アシスタントによるサポートを提供でき、
さらに、消費者へ音声によるインターフェイスを提供することで、
ブランドのネットプロモータースコアをほぼ20ポイント上げることができるとも言われている。
また、下グラフにあるように、
各分野において消費者は音声アシスタントの利用に関心を示していることから、売上増も期待できる。
アメリカのWalmartやStarbucksやCapital One、
フランスの化粧品会社のSephora、イギリスのオンラインスーパーマーケットのOcadoなど
大手小売業者は、Google AssistantやAmazonのAlexaなどの
音声アシスタントサービスと提携し、商品の購入、クレジットカードの支払い、
ビューティセッションの予約などできるサービスを提供している。
これら音声アシスタントを利用して物やサービスの購入が普及に伴い、
Eコマースは”Conversational Commerce -会話型コマース”といった
新しい時代にはいってきていると言える。
* イメージおよびグラフは、キャップジェミニの”Time to talk -The future for brands is conversational”、および、“Conversational Commerce: Why Consumers Are Embracing Voice Assistants in Their Lives”より抜粋、もしくはそのデータをもとに作成。