AppleのSiri、GoogleのVoice Search、Amazon Echo、Microsoft Cortanaなど、
音声による入力が可能なデバイスの普及に連れて、
アメリカでは他国に比べて音声対応テクノロジーを使用する割合が高くなっている。
世界の18歳以上のスマートフォン所有者を対象に
2017年6月に行われた調査では、下グラフにあるとおり、
アメリカの回答者のほぼ半数が週に1回は音声テクノロジーを利用しており、
世界の31パーセントに比べて1.5倍以上の高い数字になっている。
確かに、天気、自分のスケジュール、タイマー、目覚まし、音楽など
スマートフォンで入力することなくAmazon Echoに
問い合わせるだけで対応してくれるし、
最近はケーブルテレビのリモコンも音声対応になり、
見たいチャネルや番組検索もリモコンに向かって言うだけで応答してくれるなど、
音声テクノロジーはまさしく生活の一部になりつつある。
特に、1981年から2000年の間に生まれたミレニアルズ世代で最も人気があり、
少なくとも290万人が月に最低1回は使用しており、
この数字は2019年には3,930万人までに急増すると見られている。
中でもAmazon Echoを中心とするAmazonのAlexaデバイスが
市場を大きく牽引しており、
音声対応スピーカーでは市場の70パーセントを独占している。
音声対応デバイスにとって最も重要な要素の1つは、
ユーザーの声をどれくらい正確に認識できるかにあり、
その認識精度が高ければ高いほど、消費者の間で人気が高くなる。
逆に、上のグラフにあるとおり、1度や2度は使ったことがあるというユーザーは、
アメリカの10パーセントに対し、
世界では18パーセントとアメリカより高い数値になっているということは、
世界では数回試してみたユーザーが
頻繁に利用するにいたっていないとも考えられる。
その理由として、英語が中心であり、
自国の言語の認識がまだ向上できていないことから、
世界のユーザーは音声テクノロジー自体にまだ魅力を感じていないのかも知れない。
ある投資銀行の予測によると、AmazonのAlexaデバイスは
2020年に約50億ドルの収益を生み出す可能性があると言われている。
さらにAlexaデバイス経由で簡易にアイテムを注文することにより、
さらなる50億ドルの小売販売を生み出す可能性があるとも言われている。
音声対応デバイスは、普及台数とそこから派生する収益の両面で
巨大な成長を遂げるビジネスに発展する可能性が高い。