日本でも大流行したアバクロンビー&フィッチは、
125年の歴史を持つブランドだが、
直近の四半期では、同じ店舗での売上高が5パーセント減、
全体の売上高が7パーセント減、16四半期連続での売上減、
純利益は昨年度の5,770万ドルから4,880万ドルへと大きくダウンしている。
また、今年中に60店舗の閉鎖の発表や、買収先を探していたという噂もあるなど暗い話題が多い。
そのアバクロンビー&フィッチグループの中にあり、
ティーンエイジャーを対象としたホリスターだけは、同じ店舗あたりの売上が1パーセ
ント上昇している。
ホリスターでは、顧客ロイヤルティプログラムの強化、新規店舗のイメージ変更等、
売上増に導く施策を順次行なっているが、
新規顧客獲得のさらなる手段として最近発表したのが、モバイルゲームの利用である。
Angry Birdsで有名なゲームメーカーのロビオと、
ゲームを活用したブランドの広告をサポートするTreSensaとの提携により、
10年前に同じタイトルの映画とともに流行した”Surf’s Up”というモバイルゲームを発表した。
下画像のように、サーフィンをしながら、サメに襲われるのを避け、
ピザを食べてポイントを稼ぐというレトロスタイルのゲームだが、
ロビオのネットワークにいる約10万人のティーンエイジャーへの
リーチにより、新規顧客の開拓を期待している。
さらにこのゲームのダウンロードを増加させるために、
ティーンエイジャーの間で最も人気の高いソーシャルメディアである
スナップチャットのアイコン”スナップコード”も提供している。
2000年前後に誕生したこの世代は、
ショッピングをしながらスナップチャットを使用する傾向も強く、
ショッピングモールや他の小売店で買い物をしながら、
ホリスターのSurf’s Upゲームで遊ぶことにより、
ホリスター店舗への導線になる可能性もある。
今のところSurf’s Upへのアクセスは、
このスナップコードとロビオのネットワークのみとなっている。
ゲームを利用した新規顧客へのリーチに懐疑的なアナリストもいるが、
ダウンロード数によっては大きな効果をもたらす可能性は高い。