これまで、仮説(戦略)に基づいてコンテンツを作り、構造を組み立ててきました。
そして、それに従いページを設計しデザインに反映する、サイト制作での最終段階ですね。
————–【要素の絞り込み】————–
まず、ワイヤーフレームでは要素の絞り込みを検討します。
特に、トップページでの要素の絞り込みは重要です。
トップページは多くのユーザーが訪れるページですが、長く留まらせるページではありません。
要素が多ければ多いほど、本来見せたいものが曇ってきます。
そこになくてはならない必要最低限のものだけに絞り込みましょう。
「明確に伝えたいこと」と「必要な入口」のみに絞り込み、あとは、スムーズな回遊ができるようナビゲーションをしっかり構築しましょう。
これだけで回遊できるかな?と不安になるかもしれませんが、サイトの回遊は設置しているナビゲーションでほぼ解決できるものです。
そのためにも、ナビゲーションの設計にこそ時間をかけて取り組むことをおすすめします。
グローバルナビゲーションは、漏れなく、だぶりなく。
そのナビを起点にサイト全体を行き来できるならOKです。
目安は5±2個、人が一度に認識できる選択肢の数に留めるようにしましょう。
————–【優先順位と意図】————–
そして、要素の優先順位を明確に表現しましょう。
優先順位高く見せたいものは、サイズを大きくしたりコメントを添えたりして、デザイナーが認識しやすいようにしておきます。
必要なのは「正確なサイズ」よりも「サイズ感」を伝えること。
Aの枠がBの枠より大きいのは、AをBより優先順位高く見せたいから。
XのタイトルがYのタイトルより大きいのは、Xが大見出し、Yが小見出しだから。
つまり「このサイズにしてほしい」ではなく「優先順位高く見せてほしい」ということが伝わればよいのです。
そのために、「なぜそこを優先順位高くみせたいのか」という「意図」をしっかり伝えておきましょう。
「意図」が伝われば、実現方法はデザインのプロであるデザイナーが考えるところです。
極端に言うと、結果的にそこが大きくなってなくとも、優先順位の高いデザインとして実現されていれば問題ないわけです。
そこに至るには、デザイナーとの信頼関係がとても大切になってきますよね。
————–【デザイナーとの密なコミュニケーション】————–
ワイヤーをデザインに反映する際、デザイナーさんとの認識に相違があると上手く実現されません。
そうならないためにも、作成したワイヤーを送るだけではなく、
・そのワイヤーに詰まっている色々な意図
・だからこういうことをデザインで実現してほしい
という要点をしっかりと伝え、きちんと共有しておきましょう。
また、時に自分が意図しないデザインが上がってくることもありますよね。
デザイナーさんにはデザイナーさんの意図があり、その実現方法のがベターな場合も勿論あります。
なぜだろうと思った時には、「なぜこのデザインにしたのか」という「意図」を十分にヒアリングし、「目的を達成するためにそのデザインで良いのかどうか」という視点でしっかり議論して答えを導き出すことが大切です。
クライアントに「このパターンとこのパターン、どちらがいいですか?」と聞いてしまうのは、まだ「そのデザインである理由」がしっかり固まっていないからなんですよね。(私もよくやってしまっていましたが)
「今回の目的を実現するためにはこのデザインが必要だ」と思えるものに至るまで練り上げて、クライアントには、「これでいきます」と言えるものに仕上げていきたいですね。
コーダーさんとの関係も同様、
特に今は汎用デザインはすべてコーディングで実現できますので、ディレクター、デザイナー、コーダーの3者が一緒にミーティングできるとベストだと思います。
————–【マーケティングもつなげる】————–
そして、サイト制作が完了したら終了ではありません。
そこからが成果検証のスタートです。
狙ったユーザーが予想通り成果につながっているかどうか、
何が上手くいっていないのか、どこがボトルネックになっているのか、
あるいは予想していなかったユーザーが成果につながっていることもある、
そうしたことを見ていくためにアクセス解析が必要になるのです。
仮説を検証し、上手くいっていないならどうすればいいのか、上手くいっているなら更にどうしていこうかを考え、そして対策を検討します。
検証に必要なユーザーが十分でなければ、リスティング広告やプレスリリースなどで集客を試みることもできます。
集客したら、またそれを解析してみる。
マーケティングもすべてつなげていきます。
————–【最後に】————–
これまでこのコラムで書いてきたことは、すべてつながっています。
成果を上げるための仮説を立てる、つまり戦略を立てる、
その戦略に基づいてコンテンツを作り構造を考える、
そして今回は、ページを設計し形にするという段階でした。
これは以下の「ウェブサイト5階層概念モデル」というものに従っています。
(出典:ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」)
すべてが戦略(仮説)に基づき構築されている必要があります。
なぜ、つながっている必要があるのか。
もし、つながっていないとしたら、戦略がウェブサイトに反映されていなかったとしたら、何をもって成果とみればよいのか。
アクセス解析で何を解析すればよいのか。
リスティング広告で誰を呼べばよいのか。
PVが増えたとか直帰率が下がったとか、クリック率が上がったとか、そういうことが成果ではないはずですよね。
深堀はできませんでしたが、このコラムを通してすべてがつながっていることの重要さを少しでも多くの方に伝えられたらと思っています。
そもそもこのウェブサイトで何を実現しようとしていたのか。
それが完成されたウェブサイトに反映されているのかどうか。
そしてそれが成果につながっているのかどうか。
今一度振り返り見直すきっかけになることを願い、皆さんのご活躍を心より応援しています!