新年会がそろそろ終わるかなと思うと、今度はビジネスで飲み始め、
さらにすでに花見の予定が入ってきて、今年もお酒の量は減らない予定の川連一豊です。
さて、今日はマルチタスクか?シングルタスクか?のお話です。
これは社員の方も部署長の方も経営者にも当てはまります。
Eコマースの仕事をしていると、朝から受注、お客様のメール対応、在庫確認、
メルマガの反応、昨日のアクセス分析、バナー作ったり、
次回のキャンペーン考えたり、まあ大変です。
一度にいろんなことを考えながら、1日の業務をスタートをする必要があります。
で・・・
この大切な朝の時間に、お客様からクレームの電話が入ったり、
倉庫から「昨日の入荷の商品に異物が入っている」とか、
仕入先さんから「早く次の発注をしてくれないと困ります。」などと
次から次へといろんなことが起きてしまいます。
挙句の果てに、銀行から「お金そろそろ借りませんか?」などと喜んで良いのか、
悪いのかわからないお言葉を頂いたりして、
今日も朝から大パニックになってしまうのです。
気づいてみると、すでにお昼・・・。
まだ受注は終わらない。在庫確認の連絡も来ないし、発注も出来ない。
もう、こうなるとお昼のご飯を食べていても、
モチベーションはかなり下がってしまい、
午後もこの戦争のような状態が続くのか・・・となってしまうのです。
これは、対外的な横ヤリ?でご紹介しましたが、社内でも起きやすいですね。
例えば・・・
朝、店長から
「今日はとにかく受注を一生懸命やってくれ!」と
言われて、受注業務だけを行っていたら、
30分後・・・
「やっぱり、今日、ちょっとお米の出荷が忙しいから、
倉庫の手伝いに今から言ってくれ。」と言われて、
「えー?!」と思っていると
また1時間後に店長から
「今から、一緒に次のイベントを考えて欲しい。」と
指示を変えてしまうのです。
こんな感じで、次から次へと仕事の指示を変えてしまう上司は多いですね。
でも、このように指示が変わってしまうことはよくあることで、
さらにEコマースの現場は超高速ですので、日常茶飯事に起きてしまいます。
この時、指示されている方は、意外に「気持ち良い」のです。
「えー?!」、「なにそれ?」、「ダメな上司!」と思いながらも、
脳はこのマルチ状態を喜んでしまいます。
精神的な満足を得たいと思うとのことです。(研究者Zhen Wang氏)
ところが、このマルチな業務をこなそうとすると、支障が出ます。
MITの神経科学者Earl Miller氏は、
「私たちの脳はマルチタスクとは相性が良くありません。
マルチタスクをうまくやっていると思っている人でも、実際にはただ、
タスクからタスクへ非常に素早く切り替えているだけなのです。
そして、そうするたびに、認知力が低下します。」
と脳についてこう言っています。
実際にこれを試すゲームがあります。
その名も「マルチタスクゲーム」!
最短で達成する 全体最適のプロジェクトマネジメント
岸良 裕司 (著)
ゴールドラット博士の側近中の側近として世界各国で博士とともに理論を実践し、
進化させ続けている著者
この岸良 裕司氏の本に、マルチタスクゲームが掲載されています。どのようなゲームかというと、下記のようなシートを用意して、実際に書き込みます。
このマルチタスクゲームのミッションは「60秒以内に完結せよ!」です
ゲーム1回目は、プロジェクト1,2,3を横に進めます。
最初の行は、「1」と書いて、次に「A」、そして、「◯」を記入します。
2行目は、「2」、「B」、「△」ですね。このようにプロジェクトを横断します。
これを20行目まで行います。
実際に、これをやると速い方でも1分30秒ぐらい、
遅い方だと5分経っても終わりません。
ミッションは60秒以内に完結せよ!ですが、60秒以内に出来る方はほぼいません。
皆さん、自分の結果に愕然として、モチベーションがめちゃ下がります。
そして、ゲーム2回目を行います。
ここでは、プロジェクト1をまず先に行い、次にプロジェクト2、最後にプロジェクト3を行います。
つまりそれぞれ縦に記入することになります。
実際に、この2回目のゲームを行うと、
ほとんどの方は2倍以上のスピードでこなすことが出来て、
速い方だと30秒、40秒ぐらいで終わってしまいます。
先ほどの5分以上かかっていた方でもほぼ60秒近くで終了します。
このゲームを終えた時の顔は、かなり晴れやかになります。
ミッションは達成し、しかもミッションよりもかなり早い時間に終えることができるからです。
つまり、これがシングルタスクです。
いろいろマルチに仕事を行う(マルチタスク)は、
脳はうれしいのですが実際にはかなり効率が悪く、モチベーションが下がります。
ところが、一つに集中してシングルタスクで仕事を行うと、
格段に早く終えることができるのです。モチベーションもかなり上がります!
つまり・・・
・スタッフのかたは、出来る限りシングルタスクで業務を行うことを意識する。
・部署長や経営者の方は、マルチタスクな指示を出さないようにすることが大切。
ということが言えます。
・朝令暮改のように、30分もしないうちにころころ指示を変える課長
・コミュニケーションだと言って、やたら話しかけてくる部長
・朝礼で、「今日は集中して仕事をするように!」と言っていたのに、
ゴルフの素振りをしてしまう社長・・・笑
こういう方ほど、「なぜうちの社員は、仕事が遅いんだ・・・。」と嘆いているのです。
だけど、上司だけではないです。
仕事を始めた途端、「昨日のTV見た〜?」と話しかけるお隣さん。
それこそ脳はマルチに動き始めて、効率が落ちるのです。
マルチタスクとシングルタスクを意識するだけでも、
仕事のスピードが劇的に変わります。
一度、マルチタスクゲームをやってみて体感してみてください。
社員全員でやるとすごく効率が上がります。
誰ですか?
ビール飲んで、日本酒飲んで、ワインも飲んでしまう、
「チャンポン大好き」だという方は?
マルチに飲むと、翌日大変ですよ!笑