今年は、おでんと熱燗ではなく、なぜか芋焼酎のお湯割りにハマってしまった
JECCICAの川連一豊です。お互い飲み過ぎに注意しましょう。笑
●8:2の法則
飲み屋で、ビジネスの話になると「8:2の法則」の話が出てくることがあります。
パレートの法則ですね。
2割のお客様が8割の売上を作っているとか、2割の人が稼いで8割の人は稼がないとかという話です。
人事の話でもそうですね。
「あいつがね〜、まったく出来ないんだ」とか
「まったく売上をあげてない人の分まで俺は稼いでいる!」
「8:2の法則だ〜!」まあこんな感じです。
ある百貨店の方と話をしていたら、
最近は「9:1ですよ。川連さん」と教えてくれました。
1のお客様が9の売上を上げているとのことです。
「えっ、だって百貨店の売上って●千億、●兆円ですよね?」と質問したら、
「そうなんですよ。一晩に何千万も買ってくれるお客様がいるんです。」
ホント、びっくりデスね。そう言う世界もあるということです。
●「勝ち組」はわずか1000人に1人
貧困撲滅に取り組む国際NGO「オックスファム」は2015年1月19日、
現在世界人口の最富裕層にあたる「1%」が、
世界にある資産の48%を握っているという報告書を発表しています。
富裕層が持つ資産の割合は、2009年には44%でしたが、
このままのペースで続いていけば2015年までには、
富裕層が世界にある資産の50%以上を手にすることになっていくと伝えています。
ちなみに、「1%」に当たる富裕層の平均資産は1人あたり270万ドル(約3億1600万円)で、
人口の80%の平均資産は1人当たり3851ドル(約45万円)とのことです。
さらにこの報告書では、この傾向が続けば、2016年には最富裕層「1%」の資産総額は、
残りの「99%」の資産総額を上回ると指摘しています。まったく急激な伸びを指摘しています。
また、こちらの記事では、1%:99%ではなく、0.1%:99.9%と指摘している記事もあります。
http://houseofdebt.org/2014/03/29/measuring-wealth-inequality.html
上位1%を「0.01%、0.01%~0.1%、0.1%~0.5%、0.5%~1%」に分解してみると、
保有資産のェアが上がっているのは、上位0.1%までです。
つまり、「勝ち組」はわずか1000人に1人ということです。つまり、0.1%ということですね。
なんか数字がたくさん出てきたので、
なんとくわかったようなわかってないような気分になっていませんか?
僕は、これを数字のマジックと呼んでいます。笑
●数字のマジック
そうなんです。
最初は8:2の法則の話をしていたのに、9:1の話や1:99の話もあります。
ちなみに自分のお店、会社の売上をABC分析してみて、
本当に8:2の法則になっているか確認してみてください。
実は、8:2になっていないはずです。
数字を出すとイメージがつきやすいので、また8:2の法則も何となく
「そういえばそんな感じだな・・・。」と思うから、そう頭にこびり付いてしまいます。
裏付け=エビデンスは大切です。
飲み屋とかで適当に「それは8:2の法則だな!パレートの法則知らないのかい!」
なんて言ってくる知識だけの方がいれば、
「じゃあ、本当にそうなのか自分の会社の売上をABC分析してみてよ。
うちの会社は8:2ではないよ。」と言ってみてください。
「売上はそうかもしれないけど、人は8:2とか2:6:2だよ。」
とさらに突っ込んでくる人もいます。
おもしろいですねー。
本当にちゃんと分けられます?ただ、気分で分けてはダメですよ。
顔だけとか、スタイルがいいから上の2に入れようとか、
そんなことしたらぐちゃぐちゃになるだけです。
では、やってみてください。
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さて、できましたか?
自分の部下や自分の会社の役員やスタッフを8:2や2:6:2に分けられましたか?
実はね。
分けられるわけがないのです。
だって、そうですよね。どういう基準でどのような方法で分けたんですか?
かなり難しいと思います。
まあ、大抵の場合、「あいつは俺の指示に従わない」とか「何となく嫌い」、
「先日の会議で仕返ししてきた」などと言った自分の気持がかなり入っていることが多いのです。
あっと、仕事をまったくしないとか、上司の悪口ばかり言っているとかは
問題外の外です。
ここで言いたいのは、8:2の法則に縛られると、
自然と8:2の法則を考えてしまい、そのように考えてしまいがちなのです。
だから、8:2の法則なんて無い!と思ったほうが良いのです。
そうです!8:2の法則はないんです!
●だから、8:2の法則なんて無い!
えー!でも、変な人いるし、嫌な人がいるから、
8:2の法則うんぬんではなくて、何とかして欲しい!ともよく言われるのですが、
それはそういう人を「自分が引き寄せているだけ」です。
まあ、それだけだと身も蓋もないので・・・。
今日は対策をひとつ紹介しますね。
それは、採用基準をしっかり作って、それ以外の人は採用しない、
会社に入れないことにします。
これはとても大事で後から引っ掻き回されるぐらいなら、最初から入れなければいいのです。
私がやっていた採用テストとその基準は、
・性格テスト
・国語
・算数
・発想力テスト
・アンケート 4枚〜10枚
この5つです。
性格テストは、性格テスト対策をしてくる人もいますが、
まあまあ性格がわかりますので、ある結果が出ないかぎりはOKにしていました。
国語は、小学生レベルと中学生レベルを入れています。60点以上で合格です。
数学は20点以上にしておきました。
最後の問題は東大入試の問題です。
因数分解ぐらいまでわからないとNGにしてありました。
しかし、パートさんでこの東大入試の問題を解いた方もいましたから、人は見かけによらないものです。
発想力テストは、慶応幼稚園の入試問題なども参考にして、作りました。
もちろん0点の場合にはNGです。
この他に、開発が希望の場合にはパソコン入力テストやデザイナーの場合には
その場で絵を書いてもらいましたが、
ある程度人が集まってくるとこのようなテストは余程のことがない限りやらなくなりました。
そして、大事なのがアンケートです。
このアンケートは出来る限り記述式で、文字を書いていただくようにしました。
この中には自分のスペックについての話もあるのですが、
ほとんどは会社のミッションやコンセプトのことをどう思うかを
書いてもらうようにしていました。
そうすると、適当に入ってくる人や技術はすごいけどミッションには共感できない人などの場合には、
ここで自分から去っていきます。
このテストやアンケートは、採用する人全員に実施をします。
めったに変えないようにしました。
採用基準は会社の方針に沿っていますので、今後2、3年で採用したい人材の方向性が詰まっているからです。
この採用テストとアンケートを行ってから面接に入ります。
採用基準に合わない方は、涙をのんで去っていただいた方も多かったです。
*面接のことは次回にお話しますね。
●でも、事件が起きるのです!
ところが、私も人の子です。
採用テストや採用基準に合わないなと思ったにも関わらず、採用してしまったことが有りました。
それが「紹介」です。
紹介であっても、必ず自分たちが作った採用テストや採用基準を
大事にして実施することが大事です。
それがある人からの紹介だからとか、親会社や株主の紹介となるとついつい脇が甘くなります。
見かけがいいからとか、第1印象が良いからといって、自分の採用基準を崩さないことです。
正直言って、これで私は失敗したなと思っています。
やはり、採用基準は守るべきです。それは会社の方針そのものです。
例え、社長や親から、「誰々の紹介だからいいじゃん。」と言っても「ダメなものはダメ」です。
もちろん、紹介で採用基準を満たしている人はOKです。
あくまでも採用基準を崩さないことが大事です。
では、まとめます。
「たった一人でも、変な人が入ってきたら、会社はアウト!」
8:2の法則なんてありません。
ただ、バランスが起きるだけです。
喋る人がいれば静かになる人もいます。
会社の様子を見て、バランスをとる人が出てくるのです。
また、人の話とお金の話は一緒になりませんね。
8:2の法則を思い出す前に、ABC分析やら採用基準をしっかり作るなどして、
実際の数字に向き合うことが大事です。
いいですか。「実際の数字が大事」です。ここテストに出ます!笑
テキトウに「8:2の法則だから・・・」みたいなことを言わないようにしましょう!
では、また次回。