「なんで目で見たように写らないの???」
デジカメセミナー講師をさせて頂いていると、必ずといってよいほどご質問を頂きます。
絞りやシャッタースピード、ホワイトバランスとか構図とか。
色々あってなかなか見ているように映らない!!!!
写真は難しい!!と思われているかもしれませんね。
お仕事でも、趣味でも上手くなって頂くために、
また伝わる写真を撮れるようになって頂くために、正直にお伝えしたいと思います。
「写真は目で見たように写りません!!!」
色々と理由は沢山有るのですが、、、、、
例えば私達の「網膜」は半球体(目玉の後半分)ですよね。
でもカメラのセンサー(昔のフィルムも)平面ですよね。
何人か横一列で集合写真撮影してみてください。
多分真ん中の人にピント合わせたら並んでいる人にもピントが合っているはずです。
でも、ご自身の目で真ん中の人を見てください。
左右の人はピントが来ていないはず。
これだけでも見ているように写真は写っていないわけです。
一説には網膜は中心のほんの少し、全体の視野の3%位しか鮮明に写らないようです。
対して写真はピントがある面は全て鮮明にうつりますよね。
更に、視神経には高感度と低感度の2種類が有って、
同時に働くシステムになっていると言われています。
カメラのISO感度は高く設定するか低く設定するかのどちらかしか選べません。
(最近ではHDR=ハイダイナミックレンジ合成という手法もでてきましたが)
更に、構図。
人は産まれてから死ぬまで普通であれば「四角い枠」で
視野を制限されることは余り有りません。
つまり写真や絵画のように四角い枠が朝起きたときから
夜寝るときまでつきまとうことはないのです。
いかがでしょうか。
だからといって「難しい」なんて声に出さないでくださいね。
とらわれたらそこまで。
私達の脳は「難しい事」として発想をしだしますから、
「難しい」で終わってしまう場合が多いのです。気をつけましょう。
目で見たように映らないから、「何か工夫が要る」んですね。
もし目で見たように写るカメラがあったとしても、
それではカメラが写してくれた「影像」でしか有りません。
誰かに何かを伝えたいという気持ち・思いは私達人間がもつものです。
カメラにはありません。
それを「写真」というシステムで人に魅せる。
なので「カメラという道具」を使いこなさないとならないのですね。
そこに「売れる」秘訣があります。
「写真がアートになる」部分があると思います。
今回はデジカメの話しではありませんでしたが、
皆さんの「目」はデジカメよりも遙かに高機能なので、
まず写す前にしっかりと「物と事」を「自分のまなこで」観察し、
一体誰に何を伝えたいのかを考えてみることも大切なのではないでしょうか。
是非写真で「暗黙知の見える化」に挑戦してみてください。