Excelのエラーには色々な種類があります。
そのエラーによってそれぞれ意味が違いますので、何故エラーが発生するのか?それを今回はまとめました。
エラーの意味を理解することで、どこに原因があって、どこを直せばエラーが解消されるのかがすぐ分かるようになります。
エラーの種類
- #DIV/0! : 割り算で分母がゼロ
- #N/A : 関数や数式に使用できる値がない
- #NAME? : 関数名や範囲名が間違っている
- #NULL! : 指定した2つのセル範囲に共通部分がない
- #NUM! : 大きすぎる数値又は小さすぎる数値
- #REF! : セルの参照がおかしい
- #VALUE! : 引数の種類が正しくない
- ###### : 時間の計算がマイナスなど
エラーの説明&回避方法
#DIV/0!
Divisions by zero(ゼロによる除算)
割り算で分母がゼロなので計算できないエラー。
これは分かりやすいですが、「=A1/A2」のようにセル参照の割り算である場合には、A2が空白、未入力であってもこのエラーになります。先に計算式だけ入れて、後から値を入力していくようなものだと、割り算の箇所は全部#DIV/0!になってしまいます。
この時は、IFで分母が0の場合は0を返すようにするか、ISERRORやIFERRORで回避するしか無いでしょう。
=IF(A2=0,0,A1/A2)
#N/A
No value available (使用可能な値なし)
これはVLOOKUPやHLOOKUP関数の時によく出るエラーです。検索した結果一致するものが無かったり、検索値が無い場合に発生します。
=VLOOKUP(A1,B1:B5,1,FALSE) である場合に
A1が空白で#N/A
A1に[a]と入力、B1:B5内にaが存在しないと#N/A
ISERRORで回避しましょう。VLOOKUPの結果が#N/Aになるようならば ”” (空白)を返す。
=IF(ISERROR(VLOOKUP(A1,B1:B5,1,FALSE)),””,VLOOKUP(A1,B1:B5,1,FALSE))
#NAME?
Excel doesn’t recognize a name(Excelは名前を認識しません)
関数名が間違っていたり、範囲名が間違っている場合に発生します。単純なミスが多いエラーです。
=SAM(A1:A5) …SAMという関数はありません。SUMが正解。
=SUM(A1A5) …範囲に”:”コロンが抜けている。
=SUM(売上) …名前[売上]が定義されていない場合。
#NULL!
You specified an intersection of two cell ranges whose cells don’t actually intersect (そのセルは実際に交差しない2つのセル範囲の共通部分を指定した)
あまり発生しないエラーですが一応紹介。
SUM関数は単純な合計だけの関数だけでなく、複数の指定された範囲の中で、重複された範囲だけの合計を計算する事が出来ます。
=SUM(A1:A5 A1:E1) …範囲1と範囲2の間は” ”スペースです。この例だと、A1セルだけが重複したセルになりますので、A1の数値だけが結果として返ります。
この複数範囲を指定した場合に、重複するセルが存在しない場合に #NULL! エラーとなってしまいます。
まずSUM関数をこのような用途に使うことがあまりないと思うので気にしないほうがいいかもしれませんね。
#NUM!
Problem with a number in th formula (式の数の問題)
数式または関数の数値に問題がある場合に表示されます。大きすぎる値の場合に発生します。セル枠が狭すぎるだけだと ”#######” といった表示になりますが、このエラーはそもそも表示どころの話ではなく、Excelとしてそこまでの桁を扱えないというエラーです。
セル に =10^309 と入力 (^は”べき乗”で10の309乗の意) と発生します。ただここまで桁数なる事は無いので、このエラーが出たら計算式が何かしらおかしいと思うので見なおしてみましょう。
#REF!
Invalid cell reference (無効なセル参照)
セルの参照がおかしい時に発生します。
=VLOOKUP(A1,B1:B5,2) 範囲がB列の1列しか指定していないのに、列番号を2としてしまっている。このパターンが一番多いんじゃないでしょうか。
#VALUE!
Wrong type of argument in a function or wrong type of operator (演算子の機能や、引数の型が間違っています)
このエラーはスペースがある事によって発生する場合が多いです。
=A1+A2 の場合で、A1に1、A2に何も入ってなければ良いんですが、” ”スペースが入っている場合だと #VALUE! になってしまいます。
また、初歩的ミスだと”1.5”と入力しようとしたところ”1,5”とカンマとピリオドを間違ってしまった場合、カンマは数字では無いので文字列として認識し、これもまた#VALUE!となってしまいます。(表示形式でカンマ区切りする場合は問題ない。これは直接カンマを入力してしまい、文字列となってしまった場合)
このスペースというのがなかなか厄介で、画面上では何もないように見えるものの、実はこっそり半角スペースや全角スペースが入っている場合があるのです。ついうっかりキーボードのスペースキーを押してしまうこともあるでしょう。
その時に一気にスペースを消す方法があります。
それは置換機能です。
検索機能と似ていますが、スペースを検索し、置換後の文字列に何も入れなければ指定した範囲のスペース全てを消すことが出来ます。
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これは表示上のエラーでセルの枠以上に文字や数字が長い場合にこうなってしまいます。
対策はセル枠を広げるか、文字サイズを小さくする事です。
ただ、文字サイズを小さくするのは都度都度面倒なので、オススメは「セルの書式設定」「配置タブ」にある”縮小して全体を表示する”です。
これを使えば、セルに収まる場合は通常の文字サイズ、はみ出る場合はセル枠に合わせた文字サイズに自動的に縮小してくれます。
如何でしょうか?エラーにしても色々な原因によって発生し、それぞれに意味があります。それを理解することで、原因に注意して作成すれば、エラーの都度なんとなく修正していくというような事からも開放されるのではないでしょうか?